こんにちは、勘矢です。
今回は前々回に書いた有馬氏倫と縁がある建部家について調べたことをまとめました。
1. 建部家とは
2. 歴代藩主一覧
初代 建部 政長(まさなが)【1603~1672】
建部光重の三男、母は池田輝政の養女。1615年(13歳)に摂津国内で一万石を与えられました。1617年(15歳)播磨林田に転封となりました。1618年(16歳)に明石城の築城に手伝い普請、翌年には安芸広島の福島正則が改易されたときの城請取り役、1640年(38歳)に播磨山崎の池田輝澄が改易されたときの城請取り役を命じられました。1667年に65歳で隠居しました。享年70。正室は武蔵深谷藩主 酒井讃岐守忠勝の娘。
二代 建部 政明(まさあき)【1638~1669】
三代 建部 政宇(まさのき)【1647~1715】
建部政長の五男。兄の養嗣子となり、1670年に24歳で相続しました。翌年に伏見奉行となりました。1708年(62歳)に御所の造営奉行を命ぜられました。1714年(68歳)に寺社奉行となりました。享年69。正室は上野安中藩主 板倉重形の娘。
四代 建部 政周(まさちか)【1674~1757】
建部政宇の二男。はじめ分家の建部光成の養子となり、1698年に25歳で相続しました。1703年(30歳)に兄政辰に代わって宗家の嫡子となったため、旗本建部家は断絶しました。1715年に42歳で林田藩を相続しました。1732年に59歳で隠居しました。享年84。正室は旗本 建部光成の養女(旗本 河野通房の娘)。
五代 建部 政民(まさたみ)【1698~1779】
六代 建部 長教(ながのり)【1724~1764】
七代 建部 政賢(まさかた)【1747~1818】
八代 建部 政醇(まさあつ)【1795~1875】
九代 建部 政和(まさより)【1833~1863】
十代 建部 政世(まさよ)【1854~1877】
建部政醇の子。兄の養嗣子となり、1863年に10歳で相続しました。1868年(15歳)の新政府軍の命により姫路藩追討に出兵しました。翌年版籍奉還して林田藩知事となり、1871年(18歳)に廃藩置県を迎えました。享年24。
3. 建部一族
建部 寿徳(じゅとく)【1536~1607】
建部 光重(みつしげ)【1578~1610】
建部 重友(しげとも)【?~?】
池田家の家臣となりました。
建部 光延(みつのぶ)【1609~1686】
建部 光成(みつしげ)【1654~1698】
建部光延の五男。1686年に33歳で相続しました。享年45。妻は旗本 河野通宗の娘。
建部 政勝(まさかつ)【?~?】
建部政長の二男。病のため嗣子とはなりませんでした。
建部 政辰(まさとき)【1673~1729】
建部政宇の長男。病のため廃嫡となりました。享年57。
九鬼 隆寛(たかのぶ)【1700~1786】
建部政周の三男、母は建部光成の養女。丹波綾部藩主 九鬼隆直の養子となりました。享年87。
建部 光平(みつひら)【1774~1791】
建部政賢の長男。嫡子となるも早世しました。享年18。
有馬吉政、有馬光隆については、こちらをご覧ください。
4. 建部家の婚姻関係
こちらが建部家の婚姻関係図となります。子女は主な人物のみで、兄弟の順序は順番どおりではありません。
建部光重は、はじめ有馬豊氏の養女を迎えました。豊氏の養女が亡くなったためなのか、後妻には池田輝政の養女を迎えました。豊氏の養女との間に生まれた長男吉政は外祖父の有馬豊氏の許で育てられ、豊氏の子頼次の養子となりました。
輝政の養女との間には三男政長が生まれ跡継ぎとなりました。二男重友は側室の子であったためか、後妻に迎えた池田家の家臣となりました。
政明の娘は、親成の養子富成の養女となって、丹波綾部藩主の九鬼隆常に嫁ぎました。
政宇の娘は、御側御用取次の有馬氏倫に嫁ぎました。
四代建部政周は、分家の建部家に養子入りした際に養父光成の養女と結婚しました。光成の養女は、光成の妻の姪にあたります。
政周の五男隆寛は二代政明の娘が嫁いだ九鬼家に養子に入りました。
政周の十一男光隆は、有馬氏倫の養子氏久の婿養子なりましたが、のちに故ありて実家に戻りました。
歴代藩主の多くは五万石前後の譜代大名から正室を迎えました。板倉家からは2度正室を迎えています。中には幕府の重職に就いた家もありました。例外なのは七代政賢が格上の外様大名の真田家から迎えています。真田家の姫は前夫肥前平戸藩の松浦政が亡くなったための再婚でした。
参考文献:
江戸時代全大名家事典(東京堂出版)
江戸大名家血族事典(新人物往来社)
寛政重修所家譜(国立国会図書館デジタルコレクション)
名門・名家大辞典(東京堂出版)
徳川旗本八万騎人物系譜総覧(新人物往来社)
日本史総覧 コンパクト版(新人物往来社)
それでは、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。