こんにちは、勘矢です。
今回は高家六角家について調べたことをまとめました。
1. 高家 六角頼母家
(1)高家に列せられる
公家烏丸光広の二男広賢は、1647年に後水尾天皇の第三皇子本照寺宮守澄法親王が日光山輪王寺の門跡になった際に随従し、そのまま京都に戻らず、子の広治のときに高家に列せられた。
広賢が没したとき広治は幼少のため、外祖父本庄道芳の元で養育された。1675年に本照寺宮の推挙により四代将軍徳川家綱に拝謁し、翌年に御小姓組の番士に列し、蔵米三百俵を賜った。1689年に高家となり七百石を加えられ、蔵米三百俵を知行地に改められて下野国内で千石を賜った。1696年に日頃の行状が良くないことなどから逼塞となり、翌年に隠居し、蟄居すべき旨の厳命を蒙った。
三代広豊は表高家に列し、1705年に武蔵・上野国内で千石を加増されて二千石を知行した。1721年に上野国内の所領を下野国内に移された。
初代 六角 広賢(ひろかた)【1659~1658】
公家烏丸光広の二男。
妻は上野館林藩家老 本庄道芳の養女。
二代 六角 広治(ひろはる)【1654~1719】
六角広賢の長男、母は本庄道芳の養女。
1676年に23歳で家督相続。1697年に44歳で隠居。享年66。
三代 六角 広豊(ひろとよ)【1682~1748】
六角広治の長男、母は本庄宗資の娘。
1697年に16歳で家督相続。1741年に60歳で隠居。享年67。
(2)短命な当主が続く
三代広豊には嗣子がなく、従弟にあたる広安を養子に迎えるも先立たれ、同族の高家日野家から広満を養子に迎えて家督相続させるも先立たれた。遠縁にあたる旗本大沢家から広雄を末期養子として迎えた。広雄の曾祖母は旗本佐野公当の養女で、六角家初代広賢の妻と従姉妹の関係となる。しかし、五代広雄は嗣子なく没し、実弟広孝を末期養子に迎えた。
六角 広安(ひろやす)【1709~1734】
四代 六角 広満(ひろみつ)【1718~1742】
高家日野資鋪の二男。
広豊の養子となり、1741年に24歳で家督相続。享年25。
妻は交代寄合 竹中元敏の娘。
五代 六角 広雄(ひろお)【1726~1747】
旗本 大沢定時の二男。
広満の養子となり、1743年に18歳で家督相続。享年22。
(3)広孝とその跡継ぎ
六代広孝は1757年に高家となり、1763年に後桜町天皇が即位する際に将軍世子徳川家基の御使を承り上洛し、その翌年の大嘗祭の際にも上洛して御使をつとめた。1775年に高家肝煎となった。1787年に徳川家斉が将軍宣下を受けると御礼のため松平頼起と共に上洛した。
広孝は世継ぎに恵まれず、大和郡山藩柳沢家から広籌を婿養子迎えたが先立たれ、嫡孫広教も早世した。そして、広籌の娘を養女にして龍野藩脇坂家から広胖を婿養子に迎えた。広胖は高家見習いとなり、1810年に深川法禅寺が摂津四天王寺五重塔再建勧化する手続に係わり、勤柄不束の至りとして御役御免、差控えとなった。
広孝の跡は嫡孫の広體が家督相続した。
六代 六角 広孝(ひろたか)【1729~1815】
大沢定時の四男。
実兄広雄の養子となり、1747年に19歳で家督相続。享年87。
妻は旗本 逸見元長の娘。
六角 広籌(ひろかず)【1755~1792】
広孝の婿養子となり、1780年(26)に高家見習。父に先立ち没した。享年38。
妻は六角広孝の娘。
六角 広教(ひろのり)【1776~1795】
六角広籌の長男、母は六角広孝の娘。
1794年(19)に高家見習。祖父に先立ち没した。享年20。
六角 広胖(ひろやす)【1776~?】
播磨龍野藩主 脇坂安親の六男。1796年(21)に高家見習。
妻は六角広孝の養女(六角広籌の娘)。
七代 六角 広體【?~1850】
六角広孝の嫡孫。富丸、頼母。1815年に家督相続。1845年に隠居。
(4)六角家事件
八代広泰の頃、六角家の知行地の一つ下野国安蘇郡小中村の名主田中富蔵は六角家の財政改革に力を尽くし、その功労によって割元役に任命され、その子正造が小中村の名主となった。その後、江戸屋敷の普請計画とその先納金の件で問題が発生し、正造は農民側の先頭に立って立ち向かったが、1868年に正造は名主を免じられて投獄された。
九代広運は1868年3月に新政府へ入京を請い、5月に朝臣を仰付られ、9月に広運の名代として雄太郎広宣が上洛した。
八代 六角 広泰【?~1866】
六角広體の子。帯刀、越前守。
九代 六角 広運【?~?】
六角広泰の子。主税。
1866年に家督相続。
※旗本家の家名は、徳川旗本八万騎人物系譜総覧を基に採用しました。
参考文献:
寛政重修諸家譜(國民圖書 / 国立国会図書館デジタルコレクション)
名門・名家大辞典(東京堂出版)
徳川旗本八万騎人物系譜総覧(新人物往来社)
寛政譜以降 旗本百科事典 第5巻(東洋書林)
続徳川実紀 第1篇、第2篇、第3篇、第4篇、第5篇(経済雑誌社 / 国立国会図書館デジタルコレクション)
古事類苑 第13冊(古事類苑刊行会 / 国立国会図書館デジタルコレクション)
復古記 第2冊(太政官 編 / 内外書籍 / 国立国会図書館デジタルコレクション)
復古記 第10冊(太政官 編 / 内外書籍 / 国立国会図書館デジタルコレクション)
維新史料綱要 巻8(維新史料編纂事務局 / 国立国会図書館デジタルコレクション)
田中正造之生涯(田中正造 著, 木下尚江 編 / 国民図書 / 国立国会図書館デジタルコレクション)
それでは、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。