こんにちは、勘矢です。
今回は明石松平家について調べたことをまとめました。
1. 播磨明石藩松平家
(1)越前国内から播磨明石へ
明石松平家は結城秀康の六男直良からはじまる。1624年に次兄忠昌が長兄忠直の跡を継いで福井藩主となったとき、越前国大野郡木本周辺に二万五千石を与えられた。1635年に一万石を加増されて越前勝山三万五千石、1644年に一万五千石の加増されて越前大野五万石となった。
二代直明は1682年に播磨明石六万石へ転封となった。新田開発に力を入れ、煙草栽培を奨励し、藩の特産物「赤坂煙草」として藩財政を潤した。1693年に大旱魃に襲われ、藩士の俸禄を借り上げた。
初代 松平 直良(なおよし)【1604~1678】
結城秀康の六男、母は津田信益の娘奈加。享年75。
越前木本藩主 在職期間:1624年(21)~1635年(32)
越前勝山藩主 在職期間:1635年(32)~1644年(41)
越前大野藩主 在職期間:1644年(41)~1678年(75)
正室は越前丸岡藩主 本多成重の娘 豊姫。
二代 松平 直明(なおあきら)【1656~1721】
松平直良の三男、母は側室 橋本氏。享年66。
越前大野藩主 在職期間:1678年(23)~1682年(27)
播磨明石藩主 在職期間:1682年(27)~1701年(46)隠居
正室は伊予松山藩主 松平定頼の養女(若狭小浜藩世子 酒井忠朝の娘) 仙姫。
(2)播磨明石藩(前期)
三代直常は父の隠居により家督相続した。1704年に幕府から普請手伝いを命ぜられて財政が悪化した。その後、蝗害や旱魃、大洪水に見舞われ農民は疲弊した。四代直純は父の隠居により家督相続した。藩の財政難は慢性的で、藩札を発行して財政の好転を図ったが失敗に終わった。
七代直周は世子がなかった兄の養子となり家督相続した。藩財政再建を図るも正常化することはできなかった。
三代 松平 直常(なおつね)【1679~1744】
松平直明の長男、母は松平氏。享年66。
在職期間:1701年(23)~1743年(65)隠居
四代 松平 直純(なおずみ)【1727~1764】
松平直常の長男、母は側室 松田氏。享年38。
在職期間:1743年(17)~1764年(38)
五代 松平 直泰(なおひろ)【1748~1803】
松平直純の長男、母は牧野貞通娘。享年56。
在職期間:1764年(17)~1784年(37)隠居
六代 松平 直之(なゆきお)【1767~1786】
松平直泰の長男。享年20。
在職期間:1784年(18)~1786年(20)
七代 松平 直周(なおちか)【1773~1828】
松平直泰の二男。享年56。
在職期間:1786年(14)~1816年(44)隠居
(3)播磨明石藩(後期)
八代斉韶ははじめ直韶といい、1816年に父の隠居により家督相続した。直韶には嫡男慶憲がいたが、1827年に将軍家斉の二十六男周丸を養子にすることを命ぜられた。また、同日に直韶の義兄で川越藩主松平矩典(のち斉典)は、家斉二十四男紀五郎(のち斉省)を養子に迎えた。1837年周丸は元服して斉宣と改め、直韶は斉韶と改めた。
九代斉宣は1840年に養父の隠居により家督相続し、二万石加増されて八万石となり、十万石の格式になった。家格上昇運動に要した経費も莫大で、藩財政は依然として厳しかった。
十代慶憲は1844年、義兄斉宣に嗣子がないため養子となって家督相続した。1853年に領内に海防防備のために砲台を築造した。また、ペリー来航時には警備のため品川・神奈川に出兵した。1866年の第二次長州征討に出兵し、1868年の鳥羽伏見の戦いが起きると大坂に出兵するも間に合わず、新政府軍に攻撃されかけたが、宗家福井藩の松平春嶽の取りなしで攻撃を免れた。新政府に帰順後は越後方面に出兵した。
十一代直致は1869年に父の隠居により家督相続し、間もなく版籍奉還して明石藩知事に任ぜられ、1871年に廃藩置県を迎えた。
八代 松平 斉韶(なりつぐ)【1803~1868】
松平直周の二男、母は側室 白須氏。享年66。初名直韶。
在職期間:1816年(14)~1840年(38)隠居
九代 松平 斉宣(なりのぶ)【1825~1844】
十一代将軍 徳川家斉の二十六男、母は側室 高木氏。享年20。
在職期間:1840年(16)~1844年(20)
十代 松平 慶憲(よしのり)【1826~1897】
松平斉韶の長男、母は松平直恒の娘。享年72。初名直憲。
在職期間:1844年(19)~1869年(44)隠居
十一代 松平 直致(なおむね)【1849~1884】
松平慶憲の長男、母は側室 小林氏。享年36。
在職期間:1869年(21)~1871年(23)1869年より知藩事
正室は和泉岸和田藩主 岡部長寛の娘 鎮子。
参考文献:
江戸時代全大名家事典(東京堂出版)
江戸大名家血族事典(新人物往来社)
日本史総覧 コンパクト版(新人物往来社)
徳川一族大全(廣済堂出版)
徳川諸家系譜 第四(続群書類従完成会)
続徳川実紀 第2篇(経済雑誌社 / 国立国会図書館デジタルコレクション)
それでは、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。