探検!日本の歴史

趣味で調べた戦国から江戸時代の大名、城、藩、旗本などについて主に書いていきます。

越前国の小藩~松岡藩・吉江藩・高森藩・葛野藩~

こんにちは、勘矢です。
今回は、越前国の幕末以前に廃藩となりました松岡藩・吉江藩・高森藩・葛野藩についてまとめました。
 
 

1. 松岡藩

初代 松平 昌勝(まさかつ)【1636~1693】
 越前福井藩松平忠昌の長男、母は側室 白石氏。
 1645年(10)に異母弟光通が福井藩を相続したときに越前国吉田郡松岡にて五万を与えられて諸侯に列しました。享年58。正室伊予松山藩主 松平定行の娘 菊姫
 
二代 松平 昌平(まさひら)【1675~1724】
 松平昌勝の三男、母は側室 中根氏。
 1690年(16)に奥詰小姓となり、1693年に19歳で越前松岡藩を相続しました。1721年(47)に異母弟で福井藩主 松平吉邦の養子となり福井藩を相続しました。そのため松岡藩は廃藩となり、領地は福井藩に吸収されました。昌平は八代将軍吉宗の一字を賜り宗昌と改名しました。
 
 松岡藩の館跡は住宅地となっていて、写真右側にある椿が唯一なごりを残すものだそうで、昌勝が愛観されたと看板に記載されています。
 

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松岡館跡
 
 

2. 吉江藩

初代 松平 昌親(まさちか)【1640~1711】
 越前福井藩松平忠昌の五男、母は側室 浦上氏。
 1645年(6)に兄光通が福井藩を相続したときに越前国丹生郡にて二万五千万を与えられて諸侯に列しました。1674年(35)に光通の急死により福井藩を相続しました。
 吉江藩は廃藩となり、領地は福井藩に吸収されました。
 

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吉江藩館跡
 
近松門左衛門【1653~1724】
 浄瑠璃作者で有名な近松門左衛門吉江藩ゆかりの人物です。
 近松門左衛門は本名を杉森信盛といいました。
 父は杉森信義といい、福井藩士でしたが、吉江藩が成立した後に吉江藩士となりました。近松は父が藩を辞めるまで吉江で過ごしました。
 その後京都に移住し、公家の一条家に仕えました。1677年以降、浄瑠璃作者や歌舞伎作者として活躍しました。「曾根崎心中」が大当たりしました。
 
 鯖江市まなべの館には近松門左衛門に関する展示があります。
 

3. 高森藩

(1) 松平家紀州藩分家)

初代 松平 頼職(よりもと)【1680~1705】
 紀州藩徳川光貞の三男、母は側室 宮崎泰房の養女。
 1697年(18)に五代将軍綱吉から越前国丹生郡において三万石を与えられました。1705年(26)に兄徳川綱教の養嗣子となり領地を幕府に返上しました。
 
紀州藩についてはこちらもご覧ください。

 (2) 松平(本庄)家

初代 松平 宗長(むねなが)【1687~1709】
 遠江浜松藩主 松平資俊の三男、母は旗本 佐野勝由の娘。
 1700年(14)に中奥小姓となり、桂昌院から廩米千俵を与えられました。1705年(19)に父資俊とともに松平姓を下賜されました。同年、越前高森藩主の松平頼職が紀州藩主にとなったため廃藩となった越前国丹生郡で二万石を与えれ諸侯に列しました。陣屋は松平頼職が建てたものを再利用しました。参勤交代のない定府大名のため代官を派遣して統治させました。享年23。
 
二代 松平 宗胡(むねひさ)【1704~1711】
 松平資俊の六男、母は側室 川村氏。
 1709年にわずか6歳で兄の末期養子となり、家督を相続しました。しかし、2年後に没したため絶家となりました。享年8。
 
 高森陣屋跡の表門があった付近の公園に高森陣屋跡の説明と陣屋の図の看板があります。
 

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高森陣屋跡
 

4. 葛野藩

初代 松平 頼方(よりかた)【1684~1751】
 紀州藩徳川光貞の四男、母は巨勢利清の娘 お由利の方。のちに紀州藩主を経て八代将軍となる徳川吉宗です。
 1697年(14)に五代将軍綱吉から越前国丹生郡において三万石を与えられました。葛野には代官を派遣しました。1705年(22)に兄徳川頼職の急死により紀州藩主になったため廃藩となりました。
 葛野藩の陣屋があった場所には葛野神社が建っており、現在は改修中のようです。
 

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葛野陣屋跡
 
徳川歴代将軍についてはこちらもご覧ください。
 
参考文献:
 江戸時代全大名家事典(東京堂出版
 日本史諸家系図人名事典(講談社
 江戸大名家血族事典(新人物往来社
 寛政重修諸家譜国立国会図書館デジタルコレクション
 名門・名家大辞典(東京堂出版
 
それでは、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。