こんにちは、勘矢です。
1. 旗本 山口氏
山口直友の二男直治は1661年に徳川綱重に附属となって別家しました。甲府藩の家老となり、三千石を領しました。孫の直安は1704年に家宣が西の丸に入ると旗本となり、三千石を知行しました。二代直郷は一橋家家老をつとめ、四代直清は日光奉行、大坂町奉行を歴任しました。
2. 旗本 山口一族
(1)甲府藩家老山口家
山口 直治(なおはる)【1615~1672】
山口直友の二男、母は戸田一西の娘。直友72歳のときの子。
1628年に召されて蔵米を賜り、御小姓組に列し、その後御小姓に移りました。1631年(17)に蔵米三百俵、翌年に二百俵を加えられ、蔵米を知行地に改められ、七百石を知行しました。1638年(24)に御書院番となり、1643年(29)より進物役をつとめました。1653年(39)に御小姓組の組頭にすすみ、1656年(42)に三百俵を加増されました。
1661年(47)徳川綱重の家老となって三千石を賜り、旧知七百石及び蔵米三百俵は長男 直矩に与えられました。その後、直矩を跡継ぎにするため、先の旧知を二男 直重に与えました。1671年(57)に辞職しました。享年58。
妻は島正利の娘、後妻は旗本 浅野氏重の娘。
山口 直矩(なおのり)【?~1701】
山口直治の長男、母は島正利の娘。
妻は木村盈直の娘。
(2)旗本:山口勝次郎家
初代 山口 直安(なおやす)【?~1733】
山口直矩の長男、母は木村盈直の娘。
甲府藩主 徳川綱豊に仕え、父の後を継いで奥寄合に列しました。
妻は旗本 赤井忠広の娘。
二代 山口 直郷(なおさと)【1709~1778】
山口直安の長男、母は赤井忠広の娘。
1733年に25歳で相続しました。1745年(37)に御使番になり、翌年、下総国佐倉城を堀田正亮が賜るとき、現地に赴き、城引渡しの役をつとめました。1750年(42)に下野国宇都宮城を松平(深溝)忠祇が賜るとき、現地に赴き、城引渡しの役をつとめました。
1755年(47)に小普請組の支配に移り、1766年(58)に甲府勤番支配となりました。同年、故あって一時出仕を止められました。
1776年(68)に一橋家の家老となりました。享年70。
妻は旗本 本多正庸の娘(離婚)。この本多家は本多正信の子孫。
三代 山口 直承(なおよし)【1724~1795】
旗本 戸田忠胤の二男。
1778年に55歳で相続しました。1789年に66歳で隠居しました。享年72。
妻は松平(深溝)忠堅の養女(松平(深溝)忠位の娘、忠堅の義妹)。
四代 山口 直清(なおきよ)【1759~1798】
伊予宇和島藩主 伊達村候の二男、母は田中氏。
直承の婿養子となり、1789年に31歳で相続しました。翌年、火事場見廻りをつとめました。1792年(34)に御使番となり、再び火事場見廻りを兼ねました。
1793年(35)に日光奉行に移り、1795年(37)に町奉行に転じ、在職中に没しました。享年40。
妻は山口直承の娘。
五代 山口 直勝(なおかつ)【1782~1825】
山口直清の長男、母は山口直承の娘。内匠、相模守。
1798年に17歳で相続しました。1813年(32)に火事場見廻りとなり、1816年(35)に中奥小姓となりました。享年44。
六代 山口 直信(ちょくしん)【?~?】
山口直勝の長男。勝次郎、丹波守。
1825年に相続しました。1835年に御使番となり、1844年に御目付に進み、翌年、長崎表御用を命じられ、1847年に小普請組支配となりました。
1847年に日光奉行となり、1850年に山田奉行に移りました。1858年に普請奉行、大目付、西ノ丸留守居となりました。翌年、勘定奉行となり、1860年に再び大目付となりました。1862年に御小姓組番頭になるものの、同年に隠居しました。
二男の宗敬は弟宗孝の養子なり、伊予吉田藩主となりました。
七代 山口 内匠【?~?】
旗本 佐野茂好の子。勝次郎。実名は「御旗本物語」によると『直衛』。
山口直信の養子となり、1860年に御小納戸となりました。
その後、御目付をつとめ、1866年に京都詰めを命ぜられ、役料千俵を与えられました。翌年には江戸に戻り、1868年に御使番となりました。
愛知県岡崎市に山口氏の陣屋が置かれていました。
土呂陣屋の松
(3)旗本:山口鉄太郎家
初代 山口 孫三郎【?~1713】
山口直重の三男、母は井戸幸弘の娘。
1678年に召されて御小姓組に列し、1680年に蔵米三百俵を賜りました。
二代 山口 鉄太郎
山口孫三郎の長男。1713年にわずか1歳で相続するも翌年に早世し、絶家となりました。
※旗本各家の家名は、徳川旗本八万騎人物系譜総覧を基に採用しました。これに記載がない家は、寛政譜に記載されている最後の当主の通称を採用しました。
参考文献:
御旗本物語ー日本史の意外な証言者たちー(谷 有二/未来社)
名門・名家大辞典(東京堂出版)
徳川旗本八万騎人物系譜総覧(新人物往来社)
寛政譜以降 旗本百科事典 第3巻、第5巻(東洋書林)
それでは、今日はここまで。
最後までお読みいただきありがとうございます。